New BBを熱く語るっ!あらためて、A.R.E. 、I.R.A.って何?
Rockyです。勝手に連載企画、New BBを熱く語るっ!の更新が滞ってしまいました。
決してさぼっていたわけではないのですが、少し間があいてしまってすいません。
気を入れ直して、早速,Vol.3に行きたいと思います。
A.R.E.とI.R.A.こちら英語3文字だけだと何がなんだか良く分かりませんが、二つとも楽器の音響特性を高めるヤマハの技術になります。
なかでも、A.R.E.に関しては、ヤマハ高級アコースティックギターのLシリーズですでに採用されています。 (→こちらをどうぞ)
たとえば、ウイスキーなどでも、10Yとか、12Yという表示で、10年、12年もののウイスキーがあると思います。私はウイスキー通ではありませんが、やはり寝かせたウイスキーなどは、口あたりがまろやかで、且つ熟成された独特の広がりがあると思うのですが、楽器もしかり、良く乾いた木であったり、長年弾き込まれた楽器というのは、音が良いですよね!
それを、作りたてほやほやの段階からやってしまおうというのが、A.R.E.(アコースティック・レゾナンス・エンハンスメント)の処理だと思ってください。
以下リリースから抜粋
温度、湿度、気圧を高精度に制御することにより、木材のミクロな物性を長年使い込まれたギターと同様の状態へ変化させる、当社独自の木材改質技術です。また、その過程において薬剤等は一切使わず、環境面への負荷が低いのも特長です。
これだけだとちょっと分かりにくいかもしれませんので、もう少したとえ話を入れさせてもらうと、髪のキューティクル(私は美容には、無頓着ですが。)を整えると健康で美しい髪になるように、このA.R.E.処理をすることで木材のなかに眠っている成分が整って、結合し、それが音響特性にも高い効果があることを、長年の研究で証明することができました。
しかし、このA.R.E.の処理をBBを構成する全ての木材パーツに採用しているのではなく、あくまでもボディー材の部分にのみ処理をかけています。これは次回Evaluation編でも触れるのですが、端的に言うと、やり過ぎは良くない!!おいしいところに、ほんのりかける。といった感じで、数々の実験からもボディー材にのみ施すのが一番音にも良かったですね。
もちろん、A.R.E.処理がされているからといって、それ以上音がよくならないのか?とか、最初から音が良すぎて、長年使っていくと今度は衰えていくのではないか?といったご意見もありますが、ご心配無用。我々はそういったシュミレーションも重ねてうえで、このA.R.E.を自信を持って、アコースティックギター、そして今回のBBに採用しています。
もちろん、アコースティック楽器の醍醐味である、弾き込んでより良く自分の音にしていくといった部分も従来通りありますので、このA.R.E.は、
あくまでも初期段階で楽器のポテンシャルを、頭一つ、いや二つほど抜ける程度あげている処理だと考えてください。弾き込めば弾き込むほど、どんどんプレイヤーのスタイルに合った音になっていきます。
音響スペクタクル↓ データもとってみました。
そして、I.R.A.こちらも結局は楽器の鳴りを良くする技術で、もうすでに何年もギターを弾いておられる方なんかは、しばらくギターケースに眠らせていた愛用のギターを久しぶりに弾いたときなんかに、
「あれ?(汗) もう少しこのギター音良かったはずやのに。。。なんか音悪い」という経験をされたことがあると思います。やはり、アコースティックギターは「振動」が鳴りに直結する部分で、ネックとボディーが接合している部分や、ブリッジとボディーが接着している部分などにストレスがあると、音が響かない場合が多いです。
I.R.A.(イニシャルレスポンスアクセラレーション)は、出荷前にベース本体に一定の振動を与えて、響き、サスティーンなど、アコースティック楽器の鳴りを良くする効果であります。
実際に、私も 工場でBefore (I.R.A前)- After(I.R.A後)の実験をやってみたことがありますが、弾いてみて、思わず、テレビショッピングの音声で「わぁー、えぇー??ほんとに~!!」と聞こえてくるあのマダム達のように、驚嘆の声をあげたのを覚えています。
本体の構造自体が、鳴りを追及して設計されたという話は、Vol.1でもしましたが、今回お話させてもらった、A.R.E. I.R.A.というヤマハ独自の技術が、これでもか!といわんばかりにいい仕事をしていますので、とにもかくにもベーシストの方は一度手にとって、まず生音で弾いて欲しいですね。
さて、次回はアーティストEvaluationを通してです。いよいよ終わりが近づいてきましたが、どうか最後までおつき合いください