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2009年11月16日 (月)

BBを熱く語るっ! アーティストエヴァレーションを通して

Rockyです。

いよいよ寒くなってきましたね。私も昨日、箪笥の奥にしまっておったコート類を引っ張りだして、昨日はそれらを天日干し致しました。既に防寒対策はバッチシですpunch

さて、3回に分けて続けてきた、連載のBBを熱く語るっ!もいよいよ終盤を迎えています。

Vol.1 新型BBのボディー構造について

Vol.2 新たな仕様について

Vol.3 あらためて、A.R.E.、I.R.A.って何?

上記3つの内容で、BB2024、ならびにBB2024Xを語ってまいりました。

鳴りの良さを追求し、様々な新規要素をつぎ込んでいるというのは、もう既に御理解頂けたと思うのですが、その根拠となる部分は、たくさんのアーティストの方の意見、フィードバックによって成り立っています。

今日は、そのEvaluationについてお話します。

通常、我々は、新規商品を開発する際、必ずと言っていいほど、アーティストの方にチェックしてもらいます。 

今回も、カリフォルニアはNorth Hollywoodにある、アーティストリレーションと、R&Dの拠点である、YASH(YAMAHA ARTIST SERVICES HOLLYWOOD)と、私がおりますここ、ARTにおいて数え切れないほどのEvaluationを行ってきました。

協力アーティストについては、次回のアーティスト編でがっつり紹介させてもらいますので、本日は、そのなかで、最後まで仕様をまとめるのに悩んだ部分を紹介します。

まず最初に、ボルトオンを採用するということに対しては、数名のアーティストの方からも、BBと言えば、「スルーネックのイメージが・・・」といったお話を聞くことがありました。

実際にスルーネック構造は、BBの主要な特徴の一つであったわけなのですが、Rockベースとして、骨太なサウンドへのシフトという観点では、どのアーティストの方からも、「ボルトオンという方向は間違っていないし、時に長すぎるサスティーンは、Rockサウンドのなかでは、カットしたくなる場面がある」というお墨付きをもらいました。

また、ピックアップのレイアウトに関してもですが、今回のBB2024は、名機と謳われるBB2000などに採用されたリバース配置ではありません。

リバース配置の特徴は、

・低音弦のPUがブリッジ側に寄るため、低音はすっきりと輪郭が出る
・高音弦のPUはネック側に近くなるため、ファットな音が出やすい

Photo_8

などの特徴があり、これはこれで非常に理に適っているのですが、今回は、ベース単体の音だけでなく、あくまでも大音量のバンドサウンドのなかで埋もれないベースラインと、迫力のある低音を!というコンセプトの下、実際にスタジオのなかでアンサンブルの状況下にて評価も行いました。そこでのフィードバックをもとに、音抜け、腹に来る低音という点で、リバース配置を改め、今回のレイアウトに戻しました。

ボルトオン、ピックアップと来ましたが、最後はブリッジの話でこのEvaluation編を終わりたいと思います。

ブリッジですが、下の写真にもありますように、今回比較的軽めのビンテージ・ブラスを使っています。ただ、当初は、ゴツくて、重いタイプのものを使って試作品を作っていました。低音の迫力は申し分なく、パワー感もすばらしかったのを覚えています。ただ、ここで、とあるアーティストの方から、

Photo_10

ボディーがここまで鳴るベースなので、ブリッジがゴツいと、ベース本来の鳴りよりも、ブリッジの音になってしまうのでは?ちょっともったいなくない?」という鋭い指摘が入りました。

この後、開発陣も悩みに悩んだのは言うまでもありません。再度評価を重ねて、やはりブリッジの構造をシンプルにし、素材も軽くすることで、ボディーの響きを強すぎる素材で堰きとめてしまうのではなく、右から左に受け流す!いや、確実に伝達することにしました。 

こちらは、斜め45度の弦裏通しの構造にも最適なブリッジです。もちろん、お好みで、従来の弦の張り方もできるようになっています。(私はもちろん裏通しをおすすめしています。)

さて、今日も長くなってしまいましたが、いずれの部分も、コンセプトにある、究極の鳴り、バンド内でも抜ける低音、という現代のRockベースの役割を強く意識して開発をはじめ、焦点を絞って、たくさんのアーティストの方の協力のもとに、仕様を決定するに至りました。店頭で見ていただくお客様には、完成されて、販売されているものしかありませんので、こういった開発ストーリーをなかなかお伝えできないのですが、この場が少しでも、ヤマハのモノづくりの一端を御理解いただけるのに参考になれば幸いです。

限られた時間のなかで、商品を作りこんでいく過程を私も目の当たりにしましたが、これまでに書きました仕様については、開発者の熱い想い、ベースのヤマハとしての誇り、ヤマハミュージッククラフトのクラフトマンシップが詰まっています!

最後の最後までしつこいですが、ベーシストの皆さま、どうか手にとって、弾いてくださいね♪

さて、最終回は、新しいBBファミリーを紹介します。散々このベースは良い良い!って宣伝してきて、使ってくれるアーティストはいないんです。。となれば、ちょっとがっかりですよね!

次回、ナイスなアーティスト写真をがっつり用意致しますので、乞うご期待!

Bb2024x_vintage_w